請求人と別の名義での土地売買 収入は請求人に帰属せず

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請求人とは別の法人名義による土地売買取引等に係る収益が請求人に帰属するとして原処分庁が下した、法人税の青色申告の承認取消処分、法人税等及び消費税等の更正処分並びに源泉徴収に係る所得税等の納税告知処分等に対し、請求人が全部の取消しを求めた事案。審判所は、いずれの処分も取消した。令和4年1月12日裁決。

請求人は、不動産の売買等を行う法人で、平成21年8月、不動産業を営むJ社のすべての発行済株式を取得。J社では平成24年~29年に不動産売買及び仲介取引、地主との交渉、物件の調査などを行い、その収入は総勘定元帳の売上高に記載された。

原処庁は、請求人が、J社の欠損金を利用した税金逃れを目的に名義だけの代表者を就任させたと主張。請求人の関係者及び取引の相手先の各申述から、取引は請求人により行われ、請求人代表者がJ社名義の預金通帳を管理し、J社の代表者が現金を引き出し同人に渡していたとした。

しかしながら審判所は、J社代表者の申述は変遷しており、他の申述にも的確に裏づける証拠資料はないと判断。J社が長期貸付金に記載した残高の一部はJ社の代表者への貸付として計上されたことを否定する証拠もなく、各取引に係る収益を請求人が享受していたとは認められないとした。

■参考:国税不服審判所|別法人の請求人の申述の信用性を検討した上で、別法人名義で行われた取引に係る収入が請求人に帰属するとは認められないとした事例(令和4年1月12日)

https://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0102010000.html#a126