原決定を破棄、高裁に差し戻す 離婚における財産開示手続事件

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ある夫婦が離婚に際し、一方が支払義務を負う子の監護費用について合意し、執行力のある債務名義である養育費支払等契約公正証書を締結。この元夫婦が抗告人と相手方となり、執行証書の正本を有する金銭債権の債権者である抗告人が民事執行法197条1項2号に基づき相手方について、財産開示手続の実施を申し立てた事案で最高裁第一小法廷は原決定を破棄、東京高裁に差し戻した。

抗告人は、執行証書に表示された監護費用に係る確定期限の定めのある金銭債権を請求債権として本件申立てをした。原々審は、申立ては理由があるとして、相手方について財産開示手続の実施決定(原々決定)をした。相手方は執行抗告をした上で抗告人に対し、請求債権のうち確定期限が到来しているものについて弁済をした。原審は、本件債権は弁済により消滅したとして原々決定を取り消し、申立てを却下。

法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在または消滅を執行抗告の理由とすることの許否が争われた。最高裁は「2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告においては、請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできない」とした。

■参考:最高裁判所|民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91456