賃金のデジタル支払い導入へ 労政審労働条件分科会で審議

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厚生労働省では賃金のデジタル払い導入についての検討を継続している。従来、現金払いまたは銀行振込に限定されていた賃金の支払い方法に○○ペイなどの資金移動業者を加えるというものだ。

労働者からは○○ペイなどへの資金移動が面倒であるなどの声があるのもたしかで、同省では制度設計をめぐる議論等を踏まえて実現に向けての検討を行っている。一方で、現実問題として賃金の全額を○○ペイなどに送金を希望する労働者は現実にはほとんどいないではないかとも言われている。現金使用はもとより各種ローンやクレジットの引き落としなど、従来の金融機関の利用が完全になくなることはないからだ。

企業の実務担当者には頭の痛い問題となる。従来であれば手取り額を特定の銀行等に送金して完了だが、20万円を銀行に、残額を〇〇ペイになどの要望が出ることが予想されるからだ。また、今月はキャンペーン期間中なので○○ペイではなく△△ペイに変更してほしいなど、月ごとの要望がでる可能性もあり、実務的にはより煩雑になるだろう。今後、さらに議論が進む予定だが、企業の実務担当者としてはいつまでの申し出を受け入れるか、いくつまでの送金先を受容するかなど、事前に検討を進めておく必要がある。

■参考:厚生労働省|資金移動業者の口座への賃金支払について 課題の整理⑦|

https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000988916.pdf