過去2度国会に提出されたものの、いずれも廃案となった派遣法改正案。法案の内容や衆議院の解散などの理由はあったが、条文に誤植があるなどの厚生労働省のミスというおそまつな理由もあっての廃案だけに、同省も今国会での成立に向けて意気込んでいるところだ。
改正により派遣労働者にとっては有利に働くということを強調したかったのだろうが、またもや同省による失言問題が浮上、改正法案の行方が危うくなりつつある。野党側は従前より改正案は非正規労働を助長するという懸念を表明しているが、この問題発言を受け、ますます反対姿勢を鮮明 にしている。自民党の厚生労働部会では、派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とする」と条文に盛り込むこと、「雇用の安定に資する雇用慣行が損なわれるおそれがある場合」には法律の見直しを検討するという附則を盛り込むことなどで法案の成立を目指している。派遣労働者を雇用する派遣元企業や派遣先企業では、法案提出の度に受入体制や派遣社員の処遇見直しなどの準備を進めている。
現場からはどちらにしても早く決めてほしいという声が上がる中、果たしてまたもや廃案に追い込まれるのか、それとも予定通り成立するのか、行方が注目される。