企業会計基準委員会(ASBJ)は、企業会計基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)の提言を受け、資金決済法上の「電子決済手段」の発行・保有等に係る会計上の取扱いについて、新規テーマとして検討することを決定した。
今年の通常国会で改正された資金決済法では、ステーブルコインのうち、法定通貨の価値と連動した価格で発行され、発行価格と同額で償還を約するものについては、「電子決済手段」と定義されることになった。金融庁は、電子決済手段については価格の安定した電子的な決裁手段である点で、預金や電子マネーと類似するものの、新たに法律上定義される財産的価値であり、今後、送金・決済手段として利用が広がっていくことが想定されていることから、改正法の施行までに会計上の取扱いを整備することが必要であるとし、企業会計基準諮問会議に会計処理の検討を依頼していた。
同諮問会議は、国際的にステーブルコインを用いた取引が増加傾向にあり、日本においても、改正資金決済法の施行後において、取引が広がった場合、広範な影響が生じる可能性があるなどとし、実務対応報告の開発のニーズがあると分析。このほど、企業会計基準委員会に新規テーマとして検討するよう提言を行ったものである。
■参考:企業会計基準委員会|第484回企業会計基準委員会の概要|
https://www.asb.or.jp/jp/project/proceedings/y2022/2022-0801.html