厚生労働省は我が国における労働争議の実態を明らかにすることを目的に、労働争議の発生状況、争議行為の形態や参加人員、要求事項などについての調査を行っている。調査対象は争議行為が現実に発生したものまたはその解決のために第三者が関与したものとなる。
令和3年「労働争議統計調査」結果によると、総争議件数は297件で対前年比6件減少し、令和元年についで過去2番目に少なくなったことがわかった。平成23年に612件だった争議件数は半分以下に減少したことになる。一方、争議行為を伴う争議件数については、平成23年に57件だったのに対し、令和3年においても55件となっており、ストライキなどの争議行為を伴わない争議は減少しているものの、争議行為を行うケースは発生件数に変化がないことがわかる。
労働争議の主要要求事項としては、賃金に関するものが総争議件数の約半数を占めている。以下、「組合保障及び労働協約」に関するもの、「経営・雇用・人事」に関するものとなっている。最終的には労働争議の75.1%が解決しているが、91日以上争議が継続する事例は73件で最多となっており、労使双方が合意に至るまでには相当の時間がかかっていることがわかる。
■参考:厚生労働省|令和3年「労働争議統計調査」の結果を公表します~労働争議について、総争議件数は過去2番目に低く、減少傾向~|
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/14-r03-09.pdf