厚生労働省は各種の情報から時間外・休日労働時間数が一ヶ月あたり80時間を超えていると見られる事業場や長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場を対象に定期的に監督指導を行っている。令和3年度における指導実績結果が先般公表された。
同年度においては32,025事業場への監督指導を行ったが、これは前年度と比べて1.3倍となり大幅増と言えるだろう。そのうち23,686事業場(74.0%)で労働基準関係法令違反が見つかった。主な違反内容としては、違法な時間外労働(10,986事業場)、賃金不払い残業(2,652事業場)、過重労働による健康障害防止措置未実施(6,020事業場)などとなった。
監督指導を受けた事業場を事業場の規模別に見ると、従業員10人未満が27.5%、10~29人が42.6%、30~49人が12.9%、50~99人が7.6%、100人~299人が6.2%、300人以上が3.2%となった。従業員30人未満の事業場の違反が7割を占めている。厚生労働省では、今後も長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行うとともに、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行う予定だ。
■参考:厚生労働省|長時間労働が疑われる事業場に対する令和3年度の監督指導結果を公表します|
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27109.html