審査権行使不認可は憲法違反 在外国民に対する扱い―最高裁

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国外に居住し、国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民に最高裁裁判官の任命に関する国民の審査に係る審査権の行使が認められていないことの適否等が争われている事案で、

最高裁大法廷は(1)最高裁裁判官国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは憲法15条1項、79条2項、3項に違反(2)在外国民が、国が自らに対して次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが違法であることの確認を求める訴えは適法(3)在外国民に国民審査に係る審査権の行使を認める制度を創設する立法措置がとられなかったことは国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける―と判決。

原判決中、第1審原告らの損害賠償請求を全部棄却すべきとした部分(原判決主文第1項)を破棄、第1審判決中、当該請求に係る部分は相当だとして第1審被告の控訴を棄却、第1審原告らのその余の上告、第1審被告の上告、第1審原告X1の附帯上告を棄却した。在外国民であるX1は第1審被告に対し、主位的に次回の国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求め、予備的に、被告がX1に対して国外に住所を有することをもって次回に審査権の行使をさせないことが憲法に違反するとの確認を求めている。

■参考:最高裁判所|在外日本人国民審査権確認等、国家賠償請求上告、同附帯上告事件(令和4年5月25日・大法廷)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91190