経済同友会はこども家庭庁の創設を前に「将来の選択肢に制約のない社会を―こども家庭庁の創設に向けて―」と題する提言を公表した。
同庁発足は来年4月。子どもにかかる各種政策の総合調整機能を担う。設置法案によれば、内閣府と厚生労働省の関連部門(周産期医療以外)は移管されるものの、「学校教育」や「幼稚園」はこれまで通り文部科学省に残される。
提言は「こども家庭庁を設置する以上、子どもの成長支援にかかる政策立案については、司令塔として一元的かつ包括的な役割を果たすべきであり、そのための十分な権限を有するべきである。すべての子どもが将来の選択肢に制約のない社会を実現するためには、子どもの貧困問題の解決が喫緊の課題である」と力説。困窮世帯の子どもたちは、経済的な制約のみならず、本人あるいは保護者に疾患がある、学習環境・習慣に恵まれない、基本的な生活習慣を身につける機会が乏しい、虐待を受けている―など複合的な課題を抱えているとし、
こども政策には(1)高校生(2)行政機関間(3)行政・学校とNPO―の3つの「壁」があると指摘。設置を機に「壁」の原因を解消し、社会が困窮世帯の子どもたちを十分支えられるよう、総合的な取り組みを進める必要があると訴えた。
■参考:経済同友会|将来の選択肢に制約のない社会を―こども家庭庁の創設に向けて―|
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2022/220518a.html