休業手当の一部が支給される雇用調整助成金の支給額は、新型コロナウイルス感染症拡大がおさまらないこともあり、想定を遥かに超える額となっている。
累計で5兆円を超える助成金を支給しており、財源の確保が問題となっていた。そのため、雇用保険料率の大幅な引上げが予想されたが、低迷する経済状況への配慮などもあり、激変措置は見送られた格好だ。
政府は財源不足に対応するため、労使で賃金の0.9%を負担する雇用保険料率を一部変更する閣議決定を行った。これにより、4-9月は0.95%(労働者側の負担増なし)、10-3月は1.35%となる。具体的には4月から雇用保険2事業分(企業側のみ負担)の料率を従来の0.3%から0.35%に引き上げ、10月からはそれに加えて、労使折半負担の失業等給付分の料率を0.2%から0.6%に引き上げる。育児休業給付分の料率(0.4%)をあわせると1.35%となる。
労働者の負担は、従来の0.3%から0.5%になるわけだ。これにより、10月からは賃金月額が20万円であれば月額400円、30万円であれば同600円の負担増となる。賃金月額が30万円の社員を100人雇用する企業では月額75000円の負担増となる計算だ。
■参考:NHK|雇用保険法などの改正案を閣議決定 年度内成立を目指す 政府|
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220201/k10013460201000.html