最近、農家(X農業法人)の事業継続計画(以下、BCP)策定支援をする機会を持った。これまでBCPにおけるリスクは、主に地震・風水害等の自然災害や大火災が中心であった。しかし、近頃はコロナ禍・情報セキュリティと多様なリスクが注目されている。
X社における地震・風水害等自然災害のBCPは、比較的容易に策定出来た。しかし、コロナ禍等の感染症リスクに関しては、残念ながら納得出来る計画とならなかった。自然災害の場合は、一般に家屋倒壊・機器類損壊、電気・水道・通信等のインフラ障害等に対する対応や人的避難等である。ところが、感染症リスクは経験知が無く、リスク回避の情報が不足していた。
農業におけるリスクは、酪農・園芸・果樹等の種類によって異なる。一般に肥料・種苗・燃料・飼料・水等を十分に用意していれば、メーカーのような事業停止はあまり多くない。しかし、農産物の特性から業務の停止は短期間でも致命的である(特に酪農等)。規模の大きい農業法人を中心にBCP策定が進みつつあるが、家族経営の農家がBCPを策定する例は少ない。
提案として、酪農・園芸・果樹等種類別、地域別、経営規模別等のBCPモデルを作り、農家が自由に利用出来るようにしたら良いと考える。