学業成績や職務評価の基準は、平均して高い人より特定の科目や分野が高い人の方がより高い評価になりつつある。会社であれば、なんでも一通り出来る社員より特定の職務が得意な社員の方が重視される。
従来の人材募集は、学校のランクや平均点、性格等で採否を決める傾向であったが、近年は特定分野の知識・技能等を重視して採否を決める傾向である。尚且つ、就職後も年功序列ではなく、特定の職務能力・実績を重視した評価になりつつある。但し、ここで注意しなければならない事は、世間一般人(経営者等も含めて)が重視する専門分野(現在ではデジタル技術等)に捉われて、元々は得意ではない又は好きではない分野を選択する事である。人は、我慢して技を磨くことで上達すると言われるが、それが続くか否かは素質や好き嫌い等によって左右される。
得意技を磨く選択は、第一に自己の素質や好き嫌いを重視する事、第二に全人格の向上を図る修養(文学・芸術・科学等の教養)を行う事、等を基準にしたい。この世の不幸の一つに、「嫌いな仕事で成功する事」がある。世間一般で尊敬されるような医者・弁護士・高級官僚・学者等になったとしても、その仕事が嫌いであれば幸福を得られない。この選択基準は今後も変わらないと思う。