確実と認められるものでない 建物売買に絡む相続税―審判所

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審査請求人が亡父の相続税の申告で債務控除の対象とした借入金について、原処分庁が対象とならないなどとして相続税の更正処分と過少申告加算税の賦課決定処分をした。

請求人は被相続人と生前に締結した売主を請求人、買主を被相続人とする建物売買契約を履行。被相続人に生じた売買代金相当額の債務は、その全額が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張、原処分の全部の取り消しを求めた。国税不服審判所は3年6月17日付で、建物の経済的価値を超える部分については相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないと裁決した。

審判所は「本件の建物売買契約は、建物の売買金額と相続税評価額の間に生じる差額により相続税の軽減効果が期待できるとの提案があった上で締結された。本件債務のうち、売買対象となった建物の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)に相当する部分については、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示しているが、経済的価値を超える部分については、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎない。相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示すものといえない」と指摘した。

■参考:国税不服審判所|建物売買に伴い被相続人に生じた債務のうち、経済的価値を超える部分について、相続税の債務控除の対象としないとした事例|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0504010000.html#a123_1