日本政策金融公庫(※日本公庫)総合研究所は、新規開業企業の開業後の変化をとらえるため、2016年に開業した企業の状況を5年間追跡するパネル調査を実施した。
開業時の年齢は30代、40代で7割を占め、66%が個人企業、男性8割だった。全体の業況をみると、「やや良い」の割合が、2016年末の44.5%から2019年末は54.6%と高くなり、「やや悪い」が43.3%から35.2%と低くなっている。ただし、2020年末はそれぞれ2016年末と同水準に戻っている。採算をみると、2016年末から2019年末にかけて「黒字基調」の割合が50.9%から76.1%へと高くなっているが、2020年末には62.8%に低下した。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた割合は86.0%、マイナスの影響は「現在、大いにある」が36.6%、「少しある」が28.6%で、以前も含めると86.0%の企業が影響を受けている。業種別は「飲食店、宿泊業 」が97.5%で、「教育、学習支援業」、「運輸業」、「製造業」も9割を超えている。収入に対する満足度は「満足」より「不満」の方が多い。他方、仕事の「満足度」ははじめ87.3%と非常に高く、その後の割合は低下しているものの、2020年末でも64.6%と高い。
■参考:日本政策金融公庫|コロナ禍の影響を受けるも、過半数が開業に満足~「新規開業パネル調査」アンケート結果の概要~|
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_211221.pdf