政府は2025年までに年次有給休暇取得率70%が目標としている。厚生労働省では10月を「年次有給休暇取得促進期間」とし、有給取得促進に向けた様々な活動を行っているが、思うようには取得率が向上していないのが現実だ。
先日公表された令和3年「就労条件総合調査」によると、労働者一人あたりの有給の平均付与日数は17.9日(対前年調査時0.1日減)、うち平均取得日数は前年調査時と変わらず10.1日となった。平均取得率でみると、1984年以降過去最高となる56.6%(同0.3%増)となったものの、70%まではまだまだ道のりは遠い。
業種別に見ると、有給の取得率がもっとも高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」で73.3%となっており、この業種だけであれば政府目標に到達していることになる。以下、「情報通信業」、「鉱業、採石業、砂利採取業」が続いている。一方、取得率がもっとも低い業種は「宿泊業、飲食サービス業」で45.0%。ついで、「複合サービス業」の47.7%となった。
また、企業規模別に見ると、平均付与日数、平均取得日数、平均取得率のすべてが企業規模が小さくなればなるほど低くなっている。中小零細企業での有給取得率向上が政府目標達成の鍵となるだろう。
■参考:厚生労働省|令和3年就労条件総合調査 結果の概況|
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/index.html