国税庁は、利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当(混合配当)の取り扱いに関する3月11日の最高裁判決を踏まえ、混合配当の今後の取り扱いについて注意を喚起する通達を発出した。
判決は▽混合配当は、その全体が法人税法(改正前)24条1項3号(現行の同項4号)に規定する資本の払い戻しに該当▽株式対応部分金額の計算方法について定める法人税法施行令(改正前)23条1項3号(現行の同項4号)の規定のうち、資本の払い戻しがされた場合の直前払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分は、混合配当につき、減少資本剰余金額を超える直前払戻等対応資本金額等が算出された限度において法人税法の趣旨に適合するものではなく、同法の委任の範囲を逸脱した違法なもので無効―という内容。
通達は(1)現行の法人税法施行令同項4号および所得税法施行令61条2項4号について、混合配当があった場合に算出される直前払戻等対応資本金額等につき減少資本剰余金額を上限として取り扱う(2)過去に遡って適用される。再計算を行った結果、過去の申告内容等に異動が生じた株主等について、納付税額等が過大となる場合には国税通則法の規定に基づき所轄の税務署に更正の請求を行うことができる。
■参考:国税庁|最高裁判所令和3年3月11日判決を踏まえた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の取扱いについて|
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r03/saikosai/index.htm