Weeklyコラム 王佐の才を発揮

LINEで送る
[`yahoo` not found]

「王佐の才」(王佐の材とも言う)とは、帝王を補佐する才能である。組織のトップを補佐出来る才能で、会社であれば役員や管理者等に求められる能力である。

吉川英治著『三国志』(講談社発行⦆等を読むと、王佐の才を持った人物が次々に登場する。当時は命がけで王を補佐し、失敗すれば厳しい罰を受けた。現代では、トップを補佐する人はどんな生き様と役割が求められるか。例えば、X社(防災用品製造業)のA総務部長は、日頃は財務・人事・渉外等を担当しているが、名刺交換するまではX社の副社長と時々勘違いされる。社長の出張だけでなく各種会合やイベント等にも必ず同行する。A部長の態度は社長に対しても堂々としており、社長は「部長が傍にいるので、自然に意思決定が早く出来る」と言う。社長が何か尋ねた場合や感想・意見を求めた時は、的確に即答する。さて、中小企業の全てが内部に王佐の才を持つ人を持つわけではない。企業によっては、外部の専門家(税理士や経営コンサルタント等)や親族等を頼りになる補佐としている場合がある。王佐の才の中身は、豊かな知識・技術・情報だけでなく、学問修養を十分に積んだ結果の説得力と交渉力、重要な決断に悩んでいる主人を思い遣る忠誠心、事変の際でも慌てない自制心等である。