一日の仕事は、一般にいくつかの組合せで成立っている。予定通りに遂行している仕事もあれば、転換が容易に出来ない仕事もある。
極端な場合は、やるべき仕事をいく日も先延ばしする(時には何か月も)。仕事に限らず、勉強・読書・家事等も同様である。仕事の転換が首尾よく行かない原因の一つは、「その気になったら取り掛かる」という姿勢である。冬寒い日に、今が夏のように暖かい日であれば始めるという気分だ。この気分を何とかしなければならない。
さて、その対処法を検討する。例えば、締切日が決まっている仕事は、締切日が近づいてから嫌々ながら始めて、やっと締切日に間に合う事が珍しくない。ここに解決のヒントがある。期限のある仕事は、やむを得ず気分に関係なく仕事を転換したり、早く着手したり出来るという事だ。X社(建設業)の総務担当Aさんは、毎月している会計事務所に提出する月次決算の準備が悩みだ。他の仕事は難なく出来るが、月末の期限が近づくと仕事の転換が気になる。Aさんの工夫は、自分独自に締切日を1週間早くした事である。転換の先取りである。仕事に追われるのではなく、むしろ自分から追って行く心掛けである。もし嫌になっても一旦止められるから、仕事の転換が容易であり、一日延ばしをしなくなった。