厚生労働省は年次有給休暇の計画的付与制度を含め、有給を取得しやすい環境整備を推進するため、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、集中的な広報活動を行っている。
2020年に閣議決定された少子化社会対策大綱などにおいて、2025年までに有給取得率70%が目標とされたが、取得率はそこまで上がっていないのが現状だ。実際、2019年の取得率は過去最高の56.3%となったものの、70%までは依然としてかなりの乖離がある。
労働基準法の改正により、2019年4月から年10日以上の年次有給休暇が付与されるすべての従業員に対し、毎年5日間の有給の確実な取得をさせるよう、使用者に義務付けられた。同省では有給の計画的付与制度の導入は有給取得率向上に役立つ上、労働基準法遵守の観点からも有効であるとしている。そのため同省では、事業場全体の休業による一斉付与方式、班やグループ別の交代制付与方式、個人別付与方式を提案している。それぞれの企業や事業場の実態に応じてよりよい付与方式を模索し、最低でも年5日間の有給取得を実現させておくべきだろう。また、同省では労使協定を締結した上で、時間単位の有給活用も提案している。
■参考:厚生労働省|10月は「年次有給休暇取得促進期間」です|
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21144.html