新型コロナウイルス感染症拡大がおさまらない。感染者数の増加に歯止めがかからず、ワクチン接種についても各地で混乱をきたしている。終わりの見えない状況に「コロナがおさまったら〇〇しましょう」という表現がむなしく響く。企業経営において、特に小規模な企業では資金調達を含め、コロナがおさまるまでなんとかしのぐというスタンスで耐える方向に舵を切っている企業も少なくないだろう。
東京商工リサーチの調査によると、令和3年7月の売上高はコロナ前と比較すると約67%の企業で落ち込んでいることがわかった。宿泊業や飲食業では4割を超える企業で売上高が半減以下となっている。再生支援協議会や事業再生ADR、民事再生などを活用した事業再生について、中小企業の5.6%が意向ありと回答。中小企業の数から推定すると単純計算で20万社を超える企業が抜本再生局面にある可能性が示唆されている。
一方、一部製造業ではコロナ前を上回る業績を達成しているケースも発生しており、また「現在コロナ前より売上高が増加しており、コロナ後も好調が持続する」と回答した企業も全企業の23%弱に達している。国難とも言うべきコロナ禍をどう乗り切るか、経営者としての力量が試されているようだ。
■参考:東京商工リサーチ|20万社超が「抜本再生」局面の可能性=第17回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査|
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210824_01.html