企業会計基準委員会は6月11日まで意見募集を行っていた実務対応報告公開草案第61号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」に対して寄せられたコメントについて検討を開始した。
公開草案に対しては8件の団体等からコメントが寄せられているが、内容面での大きな見直しはない方向。同委員会は8月中にも正式決定する予定だ。公開草案には、通算税効果額の授受を行わない場合の会計処理及び開示に関しては企業の選択に委ねられるのかといったコメントが寄せられている。企業会計基準委員会は、この場合は企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第4-3項に定める「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」に該当するものとし、合理的と考える会計方針を採用することになるとしている。また、採用した会計方針は重要性に応じて注記を行うことになるとしている。この点は結論の背景に記載する。
そのほか、コメントを踏まえ、実務対応報告第7号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」の[設例5]2.(2)③また書きの取扱いを今回の実務対応報告に追加することとしている。
■参考:企業会計基準委員会|「実務対応報告公開草案第61号「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」の公表|
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2021/2021-0330.html