Weeklyコラム 営業成績と決め台詞(ぜりふ)

LINEで送る
[`yahoo` not found]

営業の世界でよく言われる言葉に、「営業はNOと言われた時から始まる」がある。単純に考えると、お客から断られても簡単に諦めるなという意味に捉えるかもしれない。しかしこれは違う。

例えば、対面接客で婦人衣料や宝石等を販売するような場合は、お客が購入するか否かを明確に答えるような要請の言葉(決め台詞、クロージング等と言う)を発しなければならない。もしお客がNOと言えば、さらに説明を続ける。X店(宝飾品販売)のAとBはどちらも経験年数7年の販売員である。Aはお客の嗜好や感想をじっくり聞き、最後に必ず「お客様にはこちらが一番お似合いですよ」「このお品の購入は今が一番お得です」等と奨める。Bは日頃から商品知識を豊富にし、お客に合いそうな商品を次々に奨めて、迷うお客に「人の好みは区々ですから」「納得いくまで時間を掛けて選んで下さい」等と対応している。成績はAの方がずっと良い。営業は、最終的には売り手が買い手に「どうか、この商品を買って下さい」と明白な決め台詞で要請することである。もし受け入れられない時は、さらに販売の工夫を重ねる行為である。

買い手が購入や商品の選択に迷っている時、売り手も一緒に迷って、いつまでも決め台詞を言わなければ契約の成立は難しい。