令和2年中の労働災害による死亡者数は対前年比43人減少の802人となり、3年連続で過去最少を記録した。一方、休業4日以上の死傷者数は対前年比5,545人増の131,156人となり平成14年以降で最多となった。
労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第13次労働災害防止計画」では、死亡者数を平成29年と比較して令和4年までに15%以上減少させることを目標としてきたが、この目標を超えて減少する結果となった。しかし、同計画で目標とした死傷者数同5%減少については目標の達成は困難な状況となっている。陸上貨物運送事業(対前年比433人増)、小売事業(同675人増)、社会福祉施設(同3,222人増)、飲食店(同188人増)の各事業で死傷者数が大きく増加していることが主な原因だ。なお、製造業、建設業は死傷者数が対前年比減となった。
年齢別に見ると60歳以上の労働者の死傷者数は34,928人(対前年比1,213人増)となり、全死傷者数の約4分の1を占めている。今後、さらに労働人口の高齢化が進むことが予想されている中、企業としてはいかに高齢者の事故を防ぐか配慮する必要があるだろう。
■参考:厚生労働省|労働災害発生状況|
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html