新型コロナウイルス感染症の拡大により、各企業は従来にない企業運営を迫られている。多くの企業ではそれらが減収減益要因となっており、経営を圧迫されている企業も少なくない。
そのような中、今年も春闘がはじまっているが、昨年に引き続き、中小労組の獲得額が大手労組を上回る流れが継続している。金属労協の発表によると、3月末現在の集計を1000人以上、300人~999人、299人以下の規模別に見ると、規模が小さいほど賃金改善分の平均獲得額が高くなっていることが明らかとなった。同組合としても「規模が小さい組合になるほど賃上げが高くなっており、中小が大手を上回る構図が定着した」と評価している。
新型コロナウイルスに加えて、恒例行事のようになった最低賃金引上げに春の賃上げなど、中小企業にとっては厳しい状況が続いている。実際、日本商工会議所と東京商工会議所の発表によると現状の最低賃金額を負担に感じている中小企業は過半数に達しており、経営に影響があると回答した企業は6割に及んでいる。各種助成金や補助金などを活用した延命策でしのぐだけではなく、コロナ禍の収束がいまだ見通せない状況下、抜本的な業務の見直しやより一層の生産性向上が不可避の課題だろう。
■参考:連合|2021年春闘|
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/index2021.html