代償財産の価額(2)に該当 請求人の主張認容―審判所

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審査請求人が相続税の申告で不動産の評価誤りがあったほか、遺留分減殺請求に基づく価額弁償金につき取得財産の価額に算入した金額に相続税法基本通達11の2―10《代償財産の価額》(2)の適用漏れがあったとして更正の請求をした。

原処分庁が不動産の評価誤りのみを認める更正処分をしたのに対し、請求人が当該処分の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は2年8月11日、価額弁償金につき《代償財産の価額》(2)に定める方法により計算すべきだと裁決、処分の全部を取り消した。

請求人の母が公正証書遺言を残して死亡後に、相続人の兄弟間で遺留分減殺請求訴訟が起き、和解が成立した。原処分庁は、和解の際に価額弁償金の金額について何らかの合意があったと主張。

審判所は▽訴訟中から申告までの間にやり取りをしていた訴訟代理人間において申告額の協議がされていない▽訴訟中から申告までの経緯等に照らしても、申告額を具体的に協議した事実は認められない▽ほかに具体的な協議の事実が認められるような事情もない―と判断、協議はなかったと認められ、(1)に該当しないと結論づけた。その上で、対象財産が特定され、かつ和解時に合意された対象財産の通常の取引価額を基として決定されたものだから(2)に該当するとした。

■参考:国税不服審判所|遺留分減殺請求に基づく価額弁償金につき、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(2)により計算すべきとした事例|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0501010000.html#a120