日本商工会議所と東京商工会議所は最低賃金引き上げの影響についてアンケート調査を実施。大幅な引き上げは設備投資による生産性向上の阻害要因になるだけでなく、賃金増に必ずしも直結せず、採用の抑制につながりかねないとした。
ポイントは▽2020年の全国加重平均額は、コロナ禍による厳しい経済情勢により、上げ幅は1円にとどまったが、16~19年まで4年連続で3%台(25~27円)の大幅な引き上げが行われてきた▽現在の最低賃金額の負担感について「負担になっている」(「大いに負担になっている」「多少負担になっている」の合計)と回答した企業の割合は55.0%と過半数▽業種別では、特にコロナ禍で影響を受けている「宿泊・飲食業」では「負担になっている」と回答した企業は8割▽経営への影響について「影響があった」(「大いに影響があった」「多少は影響があった」の合計)と回答した企業は4割
▽仮に今年、30円の引き上げとなった場合の経営への影響について「影響がある」と回答した企業は6割▽「影響がある」と回答した企業に対応策を聞くと「設備投資の抑制等」(42.1%)が最も多く、次いで「一時金を削減する」(28.4%)、「非正規社員の採用を抑制する」(24.9%)の回答が多かった。
■参考:日本商工会議所|「最低賃金引上げの影響に関する調査」の集計結果について~4年連続で3%台の大幅な引上げが続いていたことで、中小企業の負担感や経営への影響大~|
https://www.jcci.or.jp/research/2021/0405140000.html