近年高まる副業志向と企業側の容認姿勢が相まって、専業ではなく、副業としてのフリーランスという選択をする人が増えている。
企業としても、副業者を雇用するのとフリーランスとして業務委託契約をするのでは大きく異なってくる。様々な福利厚生が不要になる業務委託契約の方が企業にとって有利に働くことが多い。その有利さからか、フリーランスに対して問題行為を行う企業も少なくない。たとえば、実際の働き方として指揮命令を受けているなど雇用に該当するケースや支払いの遅延、契約成立後の価格引下げ交渉など、立場の弱いフリーランスへの問題行為は社会問題となっている。
そのような状況を受け、厚生労働省は内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁と連名で「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を策定した。このガイドラインでは事業者とフリーランスとの取引について、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、労働関係法令との適用関係、フリーランスと取引を行う事業者が遵守すべき事項、仲介事業者が遵守すべき事項、現行法上「雇用」に該当する場合の判断基準などが示されている。契約をめぐるトラブルを起こさないためにも一読しておきたい内容だ。
■参考:内閣官房、公正取引委員会、厚生労働省。経済産業省|「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(案)に対するパブリックコメントの結果及び同ガイドラインを取りまとめました|
https://www.meti.go.jp/press/2020/03/20210326005/20210326005.html