今回の税制改正で柱に据えられたのが、デジタル化と脱炭素。デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制は、クラウド技術を活用して他社や部門間でデータを融通するようなシステム投資を優遇する。
「事業適応計画(仮称)」について認定を受け、同計画に従って導入されたソフトウェア、繰延資産、機会装置、器具備品等への投資について、1)取得価額の30%の特別償却、2)取得価額の3%(グループ外の事業者とデータ提携をする場合は5%)の税額控除、の選択適用ができる。対象となる取得価額は300億円を上限とし、2年間の時限措置となる。
2050年のカーボンニュートラルに向け、グリーン投資に踏み切る企業への税制優遇も図られる。「中長期環境適応計画(仮称)」について認定を受け、同計画に従って導入された、脱炭素製品を製造する設備または生産工程の脱炭素化に資する設備への投資について、1)取得価額の50%の特別償却、2)取得価額の5%(貢献度の高いものは10%)の税額控除、の選択適用ができる。対象となる取得価額は500億円を上限とし、3年間の時限措置。省エネ半導体やリチウムイオン電池の製造、再エネへの切替えや熱利用の効率化などが想定されるほか、風力発電設備も対象となる。
■参考:令和3年度税制改正大綱(2020年12月21日・閣議決定)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2021/20201221taikou.pdf