既報にて令和元事務年度の法人税等の調査事績の概要を掲載したが、今回は主要な取組について詳細に取り上げる。
【消費税還付申告法人に対する取組】国庫金の詐取とも言える消費税の不正還付に対しては特に厳正な調査を行って213億円を追徴、不正還付は計25億円。調査事例:〇国外への販売を装うため、輸出に関する他人名義の書類を流用し、架空の輸出売上(免税取引)、及び架空の国内仕入(課税取引)を計上。〇輸出物品販売場で実際に店舗に来ていない外国人のパスポートを流用し、国内事業者に対する売上(課税取引)を外国人旅行者へ販売した(免税取引)と装い、課税売上を免税売上に計上
【海外取引法人等に対する取組】外国税務当局からの金融口座情報の提供で取引の全貌を解明、申告漏れ所得2,411億円を把握。調査事例:〇海外銀行で保有するA社の代表者名義口座に売却代金を入金させて売上除外 〇外国親会社との棚卸取引に係る独立企業間価格の算定誤り(海外取引に係る源泉徴収漏れでは、61億円を追徴)
【無申告法人に対する取組】インターネット情報等で事業実態を把握、計116億円を追徴。調査事例:多額の不動産売却収入を得ながら、契約書等を破棄するとともに売却代金を現金で受け取り取引を隠蔽
■参考:国税庁|令和元事務年度 法人税等の調査事績の概要|
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2020/hojin_chosa/index.htm