審査請求人が輸入取引に係る仕入額について総勘定元帳に計上した額に基づいて法人税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、真正な仕入額は請求人のM税関での申告価格であり、これを上回る金額は損金の額に算入できないなどとして、法人税等の各更正処分・重加算税の各賦課決定処分・青色申告承認取り消し処分を行った。
請求人が、申告価格は誤りであり、元帳に計上した金額が真正な仕入額だとして原処分の一部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、損金の額に算入した仕入額が過大だったとは認められず、請求人に隠蔽または仮装の行為があったとは認められないとして重加算税の賦課決定処分を取り消した。2月5日付裁決。
原処分庁は仕入額について、輸入申告における申告価格に基づき原処分庁が算出した額だと主張。審判所は▽原処分庁が主張を裏付ける証拠として指摘した税関調査時における請求人の代表者の申述からは、請求人がした輸入申告の価格が正しい価格であり仕入額だという具体的理由が明らかではない▽代表者の申述のほかに、原処分庁の主張を裏付ける証拠もない―ことから、仕入額が輸入申告額であるとはいえず、仕入額が過大だったとは認められない―とした。その上で、隠蔽または仮装の行為を否認した。
■参考:国税不服審判所|仕入額が過大であったとは認められず、隠蔽又は仮装があったとは認められないとした事例(令和2年2月5日裁決)
https://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0204010000.html#a118