平成30年3月大学等卒業予定者の就職状況は、厚生労働省が調査を開始した平成9年以降最高である98.0%を記録した。景気回復効果やそれに伴う企業の採用意欲の向上が寄与した結果だったが、それからわずか2年半、今年10月1日現在における大学生の就職内定率は69.8%(前年同期比7%減)となったことが明らかとなった。
コロナウィルス感染症拡大に伴う企業業績の悪化や業績見通しの不透明さからくる採用抑制が大きく影響したようだ。特に短期大学の学生については影響が大きく、内定率は27.1%(前年同期比13.5%減)となり、4人に1人程度しか内定を得ていないことがわかった。専修学校についても45.5%(同14.9%減)となる一方で、高等専門学校の内定率は93.8%(同2.4%減)となっており、学生が通っている学校の種類による選別が激しくなっていることがわかる。
コロナウィルス感染症拡大懸念がさらに広がっており、企業側の採用意欲が向上することは考えにくい。厚生労働省と文部科学省では新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーターと大学等の就職相談員との連携による新卒者等の就職支援を行っているが、当面、採用率の大幅な改善は見通せない状況だ。
■参考:厚生労働省|令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)を公表します
~大学生の就職内定率は69.8%~|
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00008.html