Weeklyコラム 口コミの功罪

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人は言葉や文字によって他人との交流を図っているが、必ずしも自分の意図通りにはならないものだ。うっかり発した言葉によって相手に悪口と誤解されたり、言葉や文字が世間を独り歩きしたり(うわさ・評判等)することも珍しくない。

例えば、店内で交わす店員とお客の挨拶や説明等(苦情処理の説明も含めて)は、慎重に会話すればその時に当人同士の間に大きな不都合が生じる事は少ないであろう。問題はこの後で、人は商品やサービスに満足すれば、家族・知人等に良い評判を流すかもしれないが、不満であれば悪い評判を流すかもしれない。「口コミ」の発生である。

さらに、それを見聞していた第三者(一般にお客)が感心したり、驚いたり、憤慨したりすれば、後刻身近な家族・知人・隣人・同僚等にそのまま又は拡大・加工して伝達(うわさ)するかもしれない。「口コミ」の発生である。

この段階になると、発信した当人の思惑通りに統制する事が不可能になる。古人の言葉に、「禍は口より出(いで)、病は口より入(いる)」とあるが、言葉一つが人間関係や取引関係を台無しにする事もある。「口コミ」を活用して商品や店格の評価を上げる手法も一つの得策だが、「口コミ」に頼って店の評判を落とすような不手際には注意しなければならない。