Weeklyコラム 儲けすぎない

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農産物直売所では、農家の人が農産物を持ち込むと、一般に持ち込んだ人自身がその値段を付ける。いくらにするかは、その日の相場や出来具合等を見て決めるが、その際大抵の人が守っている事がある。「儲けすぎるな」である。

つまり、高すぎれば売れ残り(夕方までに商品を引き取る)、安ければ売り切り、適度な利益になる。しかも、買った消費者は満足してまた来てくれる。さて、このように相場や商売の法則を意識していれば、「儲けすぎるな」と言われても納得する。

問題は、長期的経営感覚の欠如等から、儲けすぎている場合である。例えば、人件費の使い方である。経費節減という名目で、必要な人員を減らして利益を増やそうとする。売上や利益が下がったから人件費を減らしたという言い訳もあるが、実は人を減らしたから売上や利益が下がったかもしれない。極端な例として、人を減らしているうちは利益が出ていたが、気づいたら家族従業員のみとなり、利益が全く出なくなったという事もある。

商取引は3当事者が喜んで応じる事が大切という。商店を中心に考えれば、その商店・仕入先・お客である。利害はこの3者のバランスが必要で、仕入先をいじめたり、お客に割高な物を売ったりすれば、やがて良好な取引関係は消えてしまうであろう。