Weeklyコラム 接客の中身を工夫する

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指導先のX社(婦人服小売業)から、コロナ禍によって売上が急減(客数の減少)したので売場の従業員を減らしたいという相談を受けた。

理由を詳しく尋ねてみると、常時15人いる従業員の内、客数減により5人くらいが時間を持て余しているという。収益が厳しい事は従業員も理解しているので、このまま勤めていて良いのか不安である。そこで、筆者はX社の予定資金繰りを慎重に検討し、今後2ヶ月の対応法を示した。

第1に、これまでは出来なかった売場の整理整頓、在庫商品の整理、及び店内外全体の掃除等を徹底的に行う事にした。第2に、売場の陳列やPOPを直したり、顧客データの整理や販促ポスティング等を実施したりした。第3に、これまでは月1回の勉強会(主に、商品知識とファッションアドバイス)を3交替で週1回実施した。

結果、実施開始後1ヶ月くらいからなじみ客の人数が徐々に回復し、意外だったのは新規客が目立つようになった事だった。今回の措置はやむを得ず取った対応策であったが、売場の整理整頓や清掃の徹底がいかに大事であるかを痛感した。古人も同様の言葉を多く残している。「貧乏を免(まぬか)れんと欲せば、先ず庭の草を取り、家屋を掃除せよ」(福住正兄筆記・佐々井信太郎校訂『二宮翁夜話』岩波文庫)。