機械装置に関し特許権を有する上告人が被上告人に対し独占的通常実施権を許諾、被上告人が装置を製造・販売した。契約には上告人の競合会社への販売を禁止する特約が付されていたが、被上告人は上告人の競合会社である外国法人に販売。
参加人は韓国内で同装置を使って製品を製造、日米に輸出するなどした。被上告人と参加人は、参加人が装置の使用に関し第三者からの特許権行使により損害を被った場合には被上告人が損害を補償する旨合意していた。
被上告人が上告人を相手に、参加人に対する特許権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権が存在しないことの確認等を求める事案で最高裁第二小法廷は、確認の利益を認め、第1審判決のうち利益がないとして却下した部分を取り消し、第1審に差し戻した原判決を破棄、訴えは確認の利益を欠くとして被上告人の控訴を棄却した。
最高裁は▽訴えは、被上告人が参加人の上告人に対する債務の不存在の確認を求めるもので、被上告人自身の権利義務または法的地位を確認の対象とするものでない▽たとえ確認請求を認容する判決が確定したとしても、判決の効力は参加人と上告人の間には及ばず、上告人が参加人に対して損害賠償請求権を行使することは妨げられない―などと説示した。
■参考:最高裁判所|特許権侵害による損害賠償債務不存在確認等請求事件|
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89686