写真の著作者である被上告人が、ツイッターのウェブサイトにされた投稿により写真に係る氏名表示権等を侵害されたとして、
ツイッターを運営する上告人に対し特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)4条1項に基づき投稿に係る発信者情報の開示を求める事案で、最高裁第三小法廷は上告を棄却した。
原審(知財高裁)が、リツイートによる氏名表示権の侵害を認めたのに対し、上告人はこの判断には著作権法の解釈適用の誤りがあると主張。
最高裁は上告人が挙げた所論について、(1)著作権法19条1項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は、同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要しない(2)SNSにおける他人の著作物である写真の画像を含む投稿(リツイート記事)の各表示画像をクリックすれば、氏名表示部分がある元画像を見ることができるということをもって、リツイート者が著作者名を表示したことになるものではない(3)リツイートによる氏名表示権の侵害について、リツイート者はプロバイダ責任制限法4条1項の「侵害情報の発信者」に該当、かつ同項1号「侵害情報の流通によって」被上告人の権利を侵害した―と説示した。
■参考:最高裁判所|著作権法19条1項の著作物の公衆への提供若しくは提示は,同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用によることを要しない|
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89597