協会けんぽの保険料率 全国平均で据置方

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財政的に厳しいとされる全国健康保険協会(協会けんぽ)だが、2015年度の保険料率を全国平均で現行の10.0%に据え置くとする基本方針をまとめた。ただし、都道府県ごとの保険料率は見直しが検討される。

多くの中小企業が加入している協会けんぽの保険料率の動向は、経営的にも大きな影響がある。仮に年収300万円の従業員を100名雇用している企業であれば、保険料率が1%上がれば単純計算で企業負担は150万円増えることになる。協会けんぽの財政は、国の支援により多少好転しているが、それでも医療給付費は増加している上、中小企業の賃金の安定的な上昇も厳しい状況下にあり、先行きは不透明だ。厚生年金保険料率も上がり続けている状況で、多くの中小企業経営者からは赤字であればメリットがない法人税率引下げよりも、社会保険料を何とかしてほしいという声は根強い。企業努力ではなんともしようがない社会保険というアイテムが、経営努力を帳消しにするようなことがないような施策が求められている。

なお、昨年12月に選挙があった関係で予算編成に遅れが生じたため、都道府県ごとの保険料率の見直しを行う場合は、5月実施が予定されている。給与計算においては注意が必要だ。