Weeklyコラム 組織ぐるみで智恵を絞る

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再度の引用だが、福沢諭吉の『学問のすすめ』に、「実語教に、人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なりとあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由て出来るものなり。」とある(岩波文庫参照)。

今も昔も同じであるが、物事の発展は創意と工夫によるものである。例えば、同じ職人が毎日同じ材料で同じ菓子を作って売っていたとする。その菓子に人気があれば、一定期間は売れ続けるであろう。しかし、その後何の工夫もなければ顧客から飽きられる日が必ず来る。100年以上続くような和菓子の老舗の歴史を探ると、代々店主の創意工夫の苦心が例外なくある。

留意すべきは、現代の問題解決の智恵は従来のような個人又は一企業の工夫だけでは不足であり、問題によっては国全体の技術進展や働き方の大改革等にバランスした手法が求められる。つまり、国全体という組織ぐるみで智恵を絞る事が必要となる。

現在、新型コロナに関連して発生している多くの経営課題も、事業者単位の工夫だけでなく、国全体(又は業界全体等)が一丸となって組織ぐるみの智恵を絞る必要がある。勿論、どんな事態になっても、工夫の基礎は、国民や個々の事業者が感染症の予防策を講じたり、安全かつ効率的な営業や働き方を工夫したりする等が求められる。