財務省は、財務省広報誌「ファイナンス」への財務総合政策研究所職員等からの寄稿文として「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大後の産業構造の方向性―日本企業の労働生産性を踏まえた分析―」をHPに掲載し紹介している。
寄稿文は「喫緊の課題となっている感染症の拡大により、労働集約的な産業や低賃金の産業は、特に感染症拡大の影響が大きいと考えられる。さらに、人口減少はもとより、感染症拡大の影響も中長期にわたって経済に影響を与えるおそれがあることから、今後は他人との接触を減らす工夫をしつつ、労働生産性を今まで以上に引き上げていく必要がある。そのためには、ICTを活用したビジネスモデルをさらに構築していくことが求められる。」との課題を提示。
アトキンス氏等の先行研究や各種個票データを引用しながら、(1)企業規模が大きくなると労働生産性が高まる傾向がある(2)企業規模が大きくなっても労働生産性が必ずしも高くならない業種がある背景の一つとして正社員比率の違いが考えられる(3)ICT装備率が高まるほど労働生産性が高まっている、とまとめ、これらの結果を踏まえ、生産性向上には「企業規模」「正社員比率」「ICT化」を重要ポイントとして、更なる推進を図る必要性を説いている。
■参考:財務省|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大後の産業構造の方向性
―日本企業の労働生産性を踏まえた分析―(2020年7月)
https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/index.html#f01_2020_07