出生当時の母の本国法で定める 親子関係の存在確認―最高裁

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上告人が亡Bと亡Aの間に出生した子だと主張、上告人とAの間の親子関係が存在することの確認等を求める事案で最高裁第三小法廷は、原判決中、確認請求に関する部分を破棄、東京高裁に差し戻した。

改正法の施行前における嫡出でない子の母との間の分娩による親子関係の成立についての準拠法が争われている。原審は韓国法、日本法の双方が適用され、韓国民法865条2項所定の出訴期間を徒過していて不適法として、存在確認請求に係る訴えを却下した。

上告人は昭和33年に日本で出生、日本に居住。韓国でBと当時の妻の間の子として出生の届出がされ、韓国の戸籍の父の欄にはBの当時の氏名が記載された。上告人は平成14年に帰化し日本国籍を取得。戸籍には父の欄が空欄、母の欄はBの遠縁に当たる女性の氏名が記載された。Aは昭和8年、日本で出生、日本国籍を有し、28年にBとの間に長女をもうけ、39年にBと婚姻、40年、Bとともに被上告補助参加人を養子とする養子縁組をした。Aは平成22年に死亡。

最高裁は、平成元年改正法の施行前における嫡出でない子の母との間の分娩による親子関係の成立については、法の適用に関する通則法29条1項を適用し、子の出生の当時における母の本国法によって定めるのが相当だと説示した。

■参考:最高裁判所|改正法施行前における嫡出でない子の母との間の分娩による親子関係の成立について(令和2年7月7日・第三小法廷)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89561