日本貿易振興機構(ジェトロ)がこのほど発表した2014年度「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」によると、中国で事業を「拡大する」と回答した企業は46.5%で50%を割った。一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)では60.3%が「拡大する」としておりで、中国を上回った。
同調査は10~11月にアジア、オセアニアの計20カ国・地域に進出する日系企業を対象に実施、4767社から回答を得た。経営上の問題点では、「従業員の賃金上昇」が72.2%で最も多かった。国別では、中国(83.9%)、インドネシア(83.8%)、カンボジア(80.0%)が80%を超えた。次に多いのは「競合相手の台頭(コスト面で競合)」で、51.4%だった。以下、「従業員の質」(48.4%)、「品質管理の難しさ」(46.0%)、「原材料・部品の現地調達の難しさ」(44.6%)などが続いている。14年の賃金ベースアップ率(前年比、平均)はインドネシア(14.2%)、パキスタン(13.9%)、ミャンマー(12.4%)、カンボジア(11.6%)、インド(10.7%)、バングラデシュ(10.6%)、スリランカ(10.0%)の7カ国が2ケタとなっている。ベトナムの同アップ率は9.9%、中国は8.5%だった。
■参考:JETRO|事業拡大意欲、ASEANが中国を上回る ‐2014年度「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」結果について‐|
http://www.jetro.go.jp/world/asia/reports/07001901