過労死等の労災補償状況 精神障害の請求240件増に

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厚生労働省は令和元年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめた。

過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレス等が原因で発病した精神障害の件数が増えている状況を踏まえ、同省では平成14年から労災請求件数や業務上疾病と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数等を公表している。

公表された資料によると、脳・心臓疾患に関する事案の請求件数は936件(前年度比59件増)で、平成26年度から5年連続の増加となる。そのうち、支給決定件数は216件、うち死亡件数86件となった。業種別の請求件数では運輸業・郵便業が最多で197件、以下、卸売業・小売業150件、建設業130件が続く。

一方、精神障害事案の請求件数は2,060件(同240件増)、そのうち未遂を含む自殺件数は202件(同2件増)で、支給決定件数は509件(同44件増)、未遂を含む自殺件数は88件(同12件増)だった。請求及び支給決定件数ともに統計開始以降最多となった。精神障害事案では、嫌がらせ、いじめ、暴行といったパワハラが原因とされるケースが最多。パワハラは労災での補償とは別に企業側の責任も厳しく問われる。社内に問題がないか常に確認したい。

■参考:厚生労働省|令和元年度「過労死等の労災補償状況」を公表します|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11975.html