税金と債権回収の対立で法廷へ 国税がメガバンクを訴える

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報道によると、免税店運営会社T社(東京・千代田)は、金製品を訪日外国人に販売したとして、2016年~17年、仕入れ時に負担した消費税約88億円の還付を申告した。

T社は国からの消費税の還付金を担保にメガバンクから最大計50億円の融資を受けていたが、この処分前である17年3月に2行はT社との融資契約に、消費税の還付額が50億円に満たない場合は、T社の本社ビルなどに根抵当権を設定する条件を追加した。

東京国税局は2017年6月下旬、T社に対し、同社が申請していた消費税などの還付額約88億円のうち、約78億円は該当しないと指摘。書類上は、訪日外国人に販売され国外に出ているはずの製品の大半が、国内での循環取引の材料とされていたとして、重加算税約27億円も課されることなどを伝えた。国税局は、T社の本社ビルなどを差し押さえたが、2行は課税処分当日に登記。国税徴収法の規定では、担保の売却代金は、処分の日以前に抵当権を登記した債権者が優先される。国税当局は銀行が「根抵当権」を設定したことで徴収可能な税額が約7億円以上減少したと主張し、2行を提訴した。税金の徴収と銀行の債権回収を巡る対立で、国税当局が大手銀行を訴えるのは極めて異例という。