強靭化に分散電源の活用も エネルギー白書―資源エネ庁

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資源エネルギー庁はエネルギーに関する元年度年次報告書をまとめ、閣議決定を受けた。

白書は基本的にこれまでのトピックを受け継いだ内容だが、激変する国際資源情勢や自然災害など日本を取り巻くさまざまなリスクに対応する強靭なエネルギーシステムづくりの手段の一つとして分散電源の活用の有効性を取り上げた。

▽電気の流れは従来、発電所から需要家への一方向だったが、今後は需要家側にもPV(太陽光発電)、蓄電池、電気自動車、ディマンド・リスポンス(DR)、データセンターなど分散電源+新たな需要が拡大する。これに伴い双方向になり、送電網の広域化+送配電の機能分化+配電網の分散化が生じる▽現在、需給調整機能は、送配電事業者の相互調整が中心だが、将来はFIT(太陽光発電の固定価格買取制度)対象を外れる住宅用太陽光も含め、これらを束ねることにより市場を通じた全国一体の取引を通じた新たな需給調整機能も実現可能になる▽デジタル制御技術の高度化(バーチャル・パワー・プラント=VPP=、DR等)により他業界を巻き込んだ新ビジネスの可能性も生まれてくる―などの見通しを示した。

白書は福島復興の進捗や運用開始となるパリ協定への対応についても紹介。同時に環境ファイナンスの動きも取り上げている。

■参考:資源エネルギー省|「エネルギー白書2020」を読んで、日本のエネルギー政策の変化と今を知ろう!|

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyhakusho2020.html