手元に某市町村の「防災ガイド」がある。70ページ程の冊子であるが、その多くは地震・風水害・地域防災であり、テロ・感染症は全部で1ページである(感染症は5行)。
感染症対策は、うがい・手洗い・マスクのみで、今回のコロナウイルス感染症の対応策としてはほとんど役に立たない。企業・自治体等が作成するBCP(事業継続計画)の対策対象も地震・風水害が中心で、感染症対策について詳しく作成した事例を知らない。
確かに、最近50年間くらいに限定すれば、多くの日本国民や企業が受けた大災害は地震・風水害・火山の噴火災害等であった。しかし、歴史を数百年たどれば、各種感染症が多くの人々を苦しめた。そこで、企業等がBCPを作成する場合(市町村等の防災ガイドも同様)、感染症に関してどんな対応策を用意しておくべきか。
網羅出来ないが、そのいくつかを挙げる。(1)自社の業種業態に即した情報収集法、及び発生した場合の影響内容を予想する。(2)影響を予想して、取引先対策、製造体制、物流体制、資金繰り対策等を用意する。(3)従業員と家族の生命と生活を守る、勤務方法や予防体制を具体的に準備する。(4)自社で感染症が発生した場合の情報統制、職務調整、経営体制等を計画する。