退職給付会計適用指針案が決定 給付債務の額の取扱いが判明

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企業会計基準委員会は12月18日、「退職給付に関する会計基準の適用指針」の公開草案を決定した(2か月意見募集)。

今回の改正は、平成24年1月31日付で、財政運営基準等の見直しに伴う厚生労働省通知等が発出され、厚生年金基金及び確定給付企業年金の財務諸表の表示方法の変更が行われたことに伴うもの。同通知等により、実務上では、「直近の積立状況等(年金財政計算上の給付債務の額)」をどのように記載すべきかの問題が生じていた。

企業会計基準委員会は、複数事業主制度を採用している場合において、確定拠出制度に準じた会計処理及び開示を行う場合の注記事項(退職給付会計基準第33項(2))である「直近の積立状況等」のうち、「年金財政計算上の給付債務の額」については、従来と実質的に同じ内容の注記を求めることとした。ただし、名称を「年金財政計算上の数理債務の額と最低責任準備金の額との合計額」と変更して、注記すべき金額を明らかにすることとしている。具体的に厚生年金基金の場合は、両者の合計額となり、確定給付企業年金基金の場合は代行部分の給付がないため、「年金財政計算上の数理債務の額」のみとなる。

適用は公表日以後から。平成27年3月末までには決定される見通しだ。