企業会計基準委員会は、国際的な会計基準を踏まえ、すべてのリース資産及び負債を認識するリース会計基準の開発を行っているが、費用配分方法は、IFRS第16号「リース」と米国会計基準(Topic842)の取扱いが異なるため、大きな論点となっている。
IFRSでは使用権資産に係る減価償却資産及びリース負債に係る金利費用をそれぞれ認識する単一の会計処理モデル(単一モデル)を採用し、米国会計基準では、従来と同じくファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、ファイナンス・リースについては減価償却費及び金利費用を別個に認識し、オペレーティング・リースは通常均等な単一のリース費用を認識する会計処理モデル(2区分モデル)を採用しているからだ。
この点、企業会計基準委員会では、両者の優劣はつけられないとしつつも、財務諸表利用者や財務諸表作成者(特にIFRS任意適用企業)からはIFRS第16号と整合性を図るべきとの意見が聞かれることから、「単一モデル」をベースに検討すべきとしている。ただし、単一モデルを採用することに反対する意見も聞かれている。
なお、リース会計基準の開発は新しい会計基準ではなく、現行のリース会計基準を改正する方向になっている。