企業会計基準委員会は改正会社法で導入されることになった取締役等の報酬等として株式を無償発行する場合の会計処理について、新規テーマとして検討することを決めた。
現行、株式会社が株式を報酬等として取締役等に付与しようとする場合には、募集株式を無償で発行することができないとされているが、令和元年12月11日に公布された改正会社法(施行は、原則として公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内)では、上場会社は定款又は株主総会の決議により無償で株式又は新株予約権を取締役等の報酬等として交付することが可能になっている。
しかし、取締役等の報酬等として金銭の払込等を要しないで株式を発行等する場合における会計処理は存在しないことから、法務省が財務会計基準機構の基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)に対して会計処理検討の依頼を行ったものである。検討課題として想定される株式報酬は、(1)事前に譲渡制限を付した株式を交付し、一定期間の勤務や一定の業績目標等の達成等によって譲渡制限を解除する事前交付型(2)一定の業績目標等を達成した場合など、事後に株式を交付する事後交付型がある。