日本税理士会連合会会長の諮問機関である税制審議会はこのほど、平成26年度諮問事項である「給与所得と公的年金等所得に対する課税のあり方について」答申をまとめ、池田隼啓会長に提出した。
答申は、現行の税制では公的年金は保険料の拠出時と年金の受給時を通して事実上の非課税制度となっているため、給与所得者を中心とする現役世代により多くの負担を強いる結果となっているとし、「現役世代の勤労意欲を減退させないためにも世代間の公平を図る税制を構築すべきだ」と提言。
また、給与所得と公的年金等所得に係る税制では「概算控除制度の控除額が過大であることは明らかだ」との認識を示し、相当程度の縮減をすべきだが、「その際には、公的年金収入に対応する必要経費がないことを踏まえて見直す必要がある」「適切な課税ベースを維持するために、給与所得控除と公的年金等控除の重複適用についても早急に見直しを行う必要がある」と提言した。このほか、▽給与の支払者の過大な事務負担軽減を図る▽遺族年金の非課税制度の適用について一定の制限を設ける▽企業年金の課税方法を見直す▽公的年金等所得に係る所得区分を新たに創設する―などを提言。適切な課税により財源調達機能が有効に発揮される税制となるよう要望した。
■参考:日本税理士会連合会|給与所得と公的年金等所得に対する課税のあり方について|
http://www.nichizeiren.or.jp/guidance/pdf/toushin_H26.pdf