国税の担保処分でも民法適用可 請求を棄却―国税不服審

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審査請求人の滞納国税を徴収するため、請求人から提供された担保不動産に対する抵当権の設定後に担保不動産上に築造された請求人の建物(物置)について原処分庁が差し押さえ処分をした。

請求人が原処分の全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、国税の担保の処分においても民法第389条《抵当地の上の建物の競売》第1項の適用があるとし、請求を棄却した。2月5日付裁決。

審判所は処分が適法な理由として▽第1項は民事執行における競売手続きで土地利用権のない建物の存続を図る形で売却することで社会経済的損失を回避し、手続きの円滑化を目的として土地の抵当権に内在する換価権を建物に拡大したもの。滞納処分における公売手続きでも当てはまる▽国税の担保のために設定された抵当権でも、内在する換価権の及ぶ範囲は実体法である民法に委ねている。国税の担保処分でも第1項が適用される▽本件処分は国税通則法第52条《担保の処分》第4項の規定に基づき行われたものではなく、各不動産・物置を一括して公売に付すために通則法第52条第1項・民法第389条第1項に基づく担保権の実行として行われた。担保として提供された財産の処分の代金を滞納国税等に充ててなお不足があると認めることを要件としない―とした。

■参考:国税不服審判所|国税の担保の処分においても民法第389条第1項の適用があるとした事例(棄却・平成31年2月5日)

http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0501000000.html#a114